アイデアには実行が大切です。
2018年から僕は、ビジネスアイデアを着実に実行に移す仕事のススメ方や、そのポジションの重要性を、NewsPicksの野村高文さん2人で「風呂敷畳み人」と名乗りVoicyを中心に様々なメディアやイベントで情報発信してきました。そして来年2月には「風呂敷畳み人」をテーマにしたビジネス書をプレジデント社さんより出版させていただきます。
「風呂敷畳み人」とは、ビジネスでイノベーションを起こすような突飛なアイデアの大風呂敷を広げる人を「広げ人」とするならば、その大風呂敷を綺麗に畳んでカタチにする人を「畳み人」と呼ぼうと考えた造語です。
幻冬舎とNewsPicksの共同ブロジェクトであった「NewsPicksアカデミア」を両社で立ち上げた際に、アイデアの広げ人であった同僚の箕輪厚介君から「僕が広げ人だとすれば設楽さんや野村さんは風呂敷畳み人だね」と、当時の僕らの仕事を見た彼からそう呼ばれたことがきっかけで「畳み人」と名乗りはめました。
CEOが広げ人でCOO(Chief Operating Officer)が畳み人、また、新規事業であればプロジェクトリーダーが広げ人で、それをサポートして現場メンバーとリーダーを繋ぐNo.2のポジションが「畳み人」というイメージです。
僕は現在、幻冬舎で新規事業や電子書籍事業の責任者をしながらWebメディア「あたらしい経済」の編集長を担当しています。さらに幻冬舎コミックスやエクソダスなどいくつかの関連会社の役員も兼務しています。それらの仕事の中で僕はアイデアの風呂敷を広げることもあれば、畳むこともある、そのような毎日を過ごしています。
ただ色々な仕事を手掛けてみて改めて実感するのは、「畳み人」の重要性です。冒頭にも書きましたが、ビジネスにおいてアイデアの実行はとても大切です。いくらいいアイデアが生まれても、それが実行されなければ意味がありません。自分が新規事業や編集長など、アイデアを広げる立場の仕事をすればするほど、右腕のようにプロジェクトを実行してくれる「畳み人」の必要性を痛感しています。
そんな「畳み人」の情報発信をする中で、先日エン・ジャパンさんの「TEAM UPDATE」というカンファレンスに登壇させていただく機会がありました。このカンファレンスはエン・ジャパン株式会社さんのフリーランスマネジメント領域の新規事業である「pasture(パスチャー)」が企画したものでした。
カンファレンスのテーマはチームや働き方の多様性。編集長としてフリーランスの方と働いているということと、僕自身が「畳み人」の活動をはじめとした個人活動もして多様な働き方をしているということでオファーいただき「これからの組織の作り方ー「個人」の時代に戦える企業とは」について話させていただきました。
おかげさまでカンファレンスは大盛況で、多くの方にご来場いただけました。
そしてこのカンファレンスの終了後、pastureの事業のメンバーのみなさんから嬉しいご提案をいただけました。
「昨年pastureを立ち上げてからコツコツとユーザーを増やし、今事業はようやく少し軌道にのってきました。でも僕らの思い描くアイデアはもっともっとあって、このpastureのアイデアをこれからもどんどん拡大していきたいと思っています。そのアイデアを畳んでくれませんか?」
というオファーでした。
今まで僕は色々な風呂敷を畳んできたつもりですが、どうしても身を置いているのが出版やコンテンツ業界でしたので、それらの事業アイデアはある程度限られたジャンルのもが多かったです。しかし僕は「畳み人」スキルは業界や企業を選ばず万能なスキルだという確信を持っていました。それは他の業界においても僕のようなポジションで活躍している方々がいるのを知っているからです。
ただ僕自身はそれ試したことはありませんでした。今まで僕が培って、情報発信しているこのスキルが、僕自身でも他の業界で再現性があるのだろうか、と考えていたところでした。僕も知り合いの人材会社に「転職するという話ではなく、アドバイザーのような形で僕の知らない色々な企業や業界の新規事業を手伝えないだろうか」と相談していたタイミングでした。
そんなタイミングでちょうどカンファレンスをお手伝いさせていただいたpastureのチームの皆さんから「畳み人アドバイザー」のオファーをいただけたのです。
実はこのカンファレンス登壇のために事前に何度かpasture事業のみなさんとお打ち合わせする機会がありました。そこで彼らがなぜpastureという事業を立ち上げたのか、そしてどのような未来を切り開こうと思っているのか、それらの熱い想いを聞かせていただきました。
彼らは企業向けにフリーランスマネジメントを効率化するツールを提供していますが、そんな彼らが目指しているのは今回のカンファレンスのタイトルになった組織やチームのUPDATEでした。すぐ先に未来に会社における旧態依然とした組織の考え方のパラダイムシフトが起こる、それをサポートしたいという想いを彼らから感じました。
そのビジョンに僕も共感しました。僕自身今までプロジェクトを実行する上で多様なメンバーをチームに率いれた方がうまくいく実感もありました。そして何より自分が現在複数の企業で働き、さらに個人活動までしていることが、それぞれの会社や仕事に対しても良い効果をもたらしており、さらに自分自身がそれによって成長できていることも分かっていました。
そんな共感するpasure事業の方々からアドバイザーのオファーをいただけて、もちろん断る理由はありませんでした。僕はこの12月より畳み人アドバイザーという立場で、エン・ジャパンさんのpasture事業のお手伝いをさえていただくことになりました。
元々人材業界に身を置いていましたが、それはもう15年も前の話です。そう言った意味で人材業界は僕にとっても新しいチャレンジになると言っていいでしょう。そしてもちろんアドバイザーという立場なので、毎日出社するようなコミットはできません。ただプロジェクトを着実に実行して大きくしていくための戦略設計お手伝いはできます。そして僭越ながら僕に代わって現場に張り付いて事業を実行に移すpastureの「畳み人」を育てることもできると思っています。先々は僕がアドバイザーとして関わらなくてもいいようなチーム作りに、微力ながら貢献していければと思っています。
まさにpastureのみなさんが描くビジョンのように、働き方やチームのあり方は今変わろうとしています。今回の僕のように、業界や会社を飛び越えて他の企業のアドバイザーをするような働き方も、その一つになるのではと思っています。
そしてこう言った柔軟な働き方を実践することが、僕が拠点として在籍している会社もに、アドバイザーとしてお手伝いする会社にも、そして僕自身にも、大きなメリットをもたらすことを、自ら証明していきたいと思っています。
今後も僕自身がこういった働き方を選択して、どのようなメリットがあったかをレポートしていきたいと思っています。これからもよろしくお願いします。
(写真:エン・ジャパン株式会社 pasture事業責任者 高澤真之介さん と)
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